「コスト削減の”匠”だなと思った」
シニアなエンジニアの集うカケハシ社と手がけたコスト削減秘話 / 株式会社カケハシ様

「コスト削減の”匠”だなと思った」<br>シニアなエンジニアの集うカケハシ社と手がけたコスト削減秘話 / 株式会社カケハシ様

こんにちは、株式会社DELTAの広報です。

今回は、DELTAの「CTO booster」を導入いただいた、クラウド型電子薬歴「Musubi」などを提供されている株式会社カケハシ様の事例をご紹介いたします。
本記事では、株式会社カケハシ Head of Engineering 小田中 育生様、テックリード 松本 明紘様、バックエンドエンジニア 沖 卓生様、株式会社DELTA エンジニアチームで本プロジェクトを担当した三戸 奈津子とともに、AWS月間サーバー代月間約55万円(約21%)相当を削減した事例について、「CTO booster」の導入の背景や決め手、コスト削減外注の利点などを振り返ります。

(以下、敬称略)

――まずは、それぞれ自己紹介と貴社サービスについてご紹介をお願いします。

小田中:株式会社カケハシは、日本の医療システムの再構築を目指すヘルステックスタートアップです。クラウド型電子薬歴「Musubi(ムスビ)」をはじめ、薬剤師と患者さんをつなぐ「Pocket Musubi」など、業務効率化から患者体験の向上まで幅広いプロダクトを展開しています。

その中で私は、Head of Engineeringとして医薬品の在庫をAIで最適化する「Musubi AI在庫管理」の開発全体を統括しています。

松本:私は2023年2月に入社し、主にパフォーマンス改善やコスト最適化といったSRE的な活動に多く関わってきました。現在は「Musubi AI在庫管理」プロダクトのバックエンドを担当しており、テックリードとしてチーム全体の技術面を管掌しています。

:同じく「Musubi AI在庫管理」のバックエンドを担当しています。当初は大手薬局向けの新機能開発を中心に携わっていましたが、現在はパフォーマンス改善やコスト削減など、サービスを支える基盤面の強化に取り組んでいます。

――コスト削減に取り組む背景、そしてベテランのエンジニアの方も多く在籍されているカケハシ様が「CTO booster」を選んでいただいた決め手は何でしょうか?

小田中:おかげさまで「Musubi AI在庫管理」は多くのお客様にご利用いただいております。そのため、利用規模の拡大に伴ってクラウドコストも増加していました。そこでより効率的な運用を目指して社内でもクラウドインフラコストの削減について議論を重ねていたところでした。

「CTO booster」を導入する契機となったのは「YAPC::Hakodate 2024」ですね。ベテランエンジニアの方々も多く集まるカンファレンスで、カケハシはスポンサーとして参加していました。

そこにDELTAもスポンサードしており、“AWSコスト削減クイズ”をブースコンテンツとして提供していました。元々COOである西谷さんとは面識もあり、私たちも気軽に挑戦したところ、内容が想像以上に本格的で(笑)。個人的にはかなり苦悶したのですが、コスト削減クイズの得点上位者がDELTAメンバーで占めており「レベル高いな」と印象を受けました。

松本:私もYAPCでDELTAのクイズを受けて「こんな細かいところまで考えるのか!」と専門性の高さに衝撃を受けました。

当初「Musubi AI在庫管理」のコスト削減を社内で検討していましたが、自社検討した施策だけでは目標金額に到達しないこと。また施策は検討したとしても他の優先課題や開発があるなかで「やり切れない」ことの2点が課題となっており、サービス同士の最適な組み合わせやコスト構造の深い理解に基づいた最適化を実現するには、DELTAの協力が欠かせないと感じました。

小田中:”本当に匠だな”という印象で、プロ集団だと感じましたね。

松本さん×小田中さん

(左)株式会社カケハシ テックリード 松本 明紘氏
(右)株式会社カケハシ Head of Engineering 小田中 育生氏

――サービス導入前の「コスト診断」を経てDELTAへの印象などに変化はありましたか?

松本:YAPCの時に抱いていた感覚から特に大きな違和感はなかったです。当初社内で想定していたコスト削減施策にプラスアルファでご提案いただき、僕としてはぜひDELTAにプロジェクトをお任せしたいと思いました。

小田中:「相当スキル高いね」とDELTAさんに参加いただいたタイミングで、メンバーと会話したことを覚えています。当初は“成果報酬型”での発注について、一部社内で不安視する声もありましたが、「YAPC」での信頼感に加え、「コスト診断」における的確な削減余地の分析とご提案に改めて安心を感じました。

松本:十分な権限がない中で、「こんな短期間でここまで見てくれるのか」と驚きました。

――具体的な施策内容の印象はいかがでしたか?

:最も効果的だったのは「RDS Read Replica」の導入です。社内でも検討している中で、なかなか実行できなかった施策でありましたが、全社的にも大きな成果となりました。

またNAT(Network Address Translation)インスタンスの運用についても、社内のAWSに詳しいメンバーで議論していましたが、DELTAがキャッチアップしている最新動向やベストプラクティスを反映した提案によって、より管理しやすくコスト効率の高い構成に切り替えることができ、「本当に頼りになるな」と感じました。

またDELTAが事前に提示してくれた削減見込み額と、実際の削減結果がほぼ一致していたことにも驚きました。正直、私自身はコスト感覚があまりなかったので、「どうやってこんなに正確に見積もれるのだろうか」と感心しましたね。

松本:私自身がバックエンド担当ということもあって、ネットワーク周り(VPCやconfigなど)で見落としていた部分が残っていました。特にNAT関連の最適化や不要なリソース削除によって、削減効果が明確に見えたことは非常に有難かったです。

沖さん

株式会社カケハシ バックエンドエンジニア 沖 卓生氏

三戸:私自身がWebエンジニア出身でもあるからこそ、見落としがちなネットワーク面の改善を評価いただけて大変嬉しいです。DELTA社内でも、エンジニアチームの集合知で、過剰リソースの削除やアーキテクチャの変更を検討し、削減効果の最大化を目指しています。

また本プロジェクトでは、本番環境とテスト環境の構成を切り分けて整理する施策についても、カケハシ様が前向きに決断いただけたことが大きな成功要因になりました。

――DELTAが実際に作業を進めるなかでの感想を教えてください。

小田中:薬局の営業時間を考慮し、夜間に改修を行いましたが、三戸さんにも一緒に作業していただき、本当に心強かったです。プロフェッショナルであるDELTAが伴走してくれたからこそ、インスタンスサイズの変更といった踏み込んだ施策もやり切れました。

松本:現場の立場としては、レビュー対応は工数的にも大変でしたが、DELTAから毎回、整理されたデータや情報を共有いただけたおかげで、その内容をもとにスムーズに判断を進めることができました。

:こちらからの質問に対しても、「こういう見方をすると分かりやすいですよ」と具体的に教えていただき、調査にかかる工数を大幅に削減できました。また、施策の進捗やタスクの持ち手を明確に整理していただけたことで、自分たちの次の対応をすぐに把握でき、本当に助かりました。

――結果的には、どのくらいのコスト削減を実現できましたか?

小田中:月額約55万円のコスト削減に成功しました。特にネットワークまわりの削減は、社内のナレッジやリソースだけでは正直難しかったと思います。それ以外の施策については「やろうと思えば自分たちでもできた」という感覚もありましたが、今回のようなスピード感では到底完了できなかったでしょう。

コストは毎月発生し続けるものなので、早めに着手するに越したことはありません。プロダクトロードマップ上必要な開発のアクセルを緩めることなく、コスト削減を実現できたのは非常に大きな成果でした。

――本プロジェクトを経て、組織としての変化やエンジニアとして学びとなった点はありますか?

小田中:コストに関しては適正にしたいと思う一方、スタートアップでは事業成長を優先し、どうしても後回しになりがちです。今回DELTAが具体的な工数見通しを示しながらプロジェクトをリードし、確かな成果を出してくださったことで、「コストはコントロールできるものである」「放っておくと膨れ上がるから要所で対応する必要がある」と説明可能になったのはインパクトとして挙げられます。

成果が明確に出た結果として、最近ではコスト以外にもDB負荷、付随する品質など“非機能面”の改善タスクについてプロダクトマネージャー(以降、PdM)とコミュニケーションがしやすくなりました。PdMのマインドセットの変化も含め、定期的に見直していく文化やがプロダクト開発組織全体に根づきつつあります。

松本:PdMからDB負荷やEOLについて直近気にかけてもらう機会が多くなりましたね。

エンジニアとしての学びの点ですと、僕自身、AWSの知識はあまり深くなかったので、S3のストレージ使用状況の分析方法や、VPCやNATなどネットワーク構成の整理・最適化の手法について非常に勉強になりました。また、AWS以外でも、Datadogや他の外部サービスの利用によるコスト発生の仕組みを理解することで、自分では見落としていたコストポイントに気づくことができ、大きな学びになりました。

:普段あまり触れないサービスのベストプラクティスやトレンドを、今回のプロジェクトの具体的な事例を通じて一つ一つ学べたことは、エンジニアとして非常に貴重な機会でした。

集合写真

――最後に、「CTO booster」を実際に導入されてみて、どのようなポイントが他企業や開発者の方々におすすめできると思いますか?

小田中:「コスト削減のプロフェッショナル」の方々にお願いをするので、自社ケイパビリティでは実現が難しい領域までコスト削減を行ってくれる点が魅力です。

成果報酬として費用は発生しますが、いわば「お金で時間を買う」形で、自分たちの引いたロードマップを進めながら、着手しなければ発生し続けるクラウドインフラコストを効率的に最適化できることは、スタートアップにとって非常に有効です。

もちろん自社でコスト削減を進めることも可能ですが、事業に集中したいタイミングや、サービスの変革期で利用傾向が変化する場合などに、DELTAのようなプロの目線で見てもらうことは、大きな価値があると感じています。

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