こんにちは、株式会社DELTAの広報です。
今回は、DELTAの「CTO booster」を導入いただいた、経路検索サービス「駅すぱあと」などを提供されている株式会社ヴァル研究所様の事例をご紹介いたします。本記事では、株式会社ヴァル研究所 ADサービス開発チーム リーダー 武正峻様、同チーム 家田怜様、株式会社DELTA エンジニアチームで本プロジェクトを担当した馬場翔梧ともに、AWSサーバー代を月間約50%相当を削減した事例について、導入背景や内製によるコスト削減のボトルネック、想定外だった削減ポイントなどを振り返ります。 (以下、敬称略)
――まずは、御社のご紹介をお願いします。
武正:株式会社ヴァル研究所は、1988年に経路検索システム「駅すぱあと」の発売以来、全国の公共交通機関データと高い信頼性をベースにさまざまな法人向け・個人向けサービスを展開しています。近年ではMaaS(Mobility as a Service)への取り組みや次世代の経路検索システムの研究・開発を推進しています。その中でADサービス開発チームリーダーとして、主に「駅すぱあとアプリ」で配信している広告枠の管理や広告配信を行っているアドサーバー(自社サーバー)の管理、「駅すぱあとアプリ」で取得、計測している様々なデータのモニタリングや分析などを行っています。
家田:同じくADサービス開発チームの一員として、「駅すぱあとアプリ」広告の基盤システムを担当しており、システム全般の設計や企画、開発、保守、運用などを行っています。
――今回、「CTO booster」を導入した背景について教えてください。
武正:「駅すぱあと」サービス開始当初よりスタートした広告事業には長い歴史があり、インフラ全体の大部分を占めるアドサーバーも構築から10年以上が経過しています。しかし構築以降スクラッチ開発もされておらず、また利用されていないログが放置されているなど、常々AWSコストについて問題意識がありました。社内でも削減目標を重要指針として掲げてきましたが「キリがない」という難しさを感じていました。
――社内でコスト削減を実施する上で、どのような難しさがあったのでしょうか?
武正:人的リソースの制約に加え、特に技術・知識の不足に課題感がありました。アドサーバー構築時は社内エンジニア一名が担当していたこともあり、「これは消していいのかわからない」「スケールダウンして問題ないのか」など不明瞭な部分が多く、社内では「簡単だけど効果が大きいところ」を率先してコスト削減に取り組んできましたが、その削減幅も頭打ちになっているような状況でした。
家田:社内において「どこまでリソースを削減しても支障がないか」を具体化することが最もハードルが高く、万が一トラブルが発生した際の説明責任やリスクの集中を懸念し、思い切った施策を実行することが難しかったように感じます。だからこそ、DELTAのような“第三者の専門家”と一緒に取り組むことで、より安心感を持って抜本的な改善に取り組めたのではと感じています。
――検討するなかで、「CTO booster」を選んでいただいた決め手は何でしょうか?
武正:現場メンバーとして大きな決め手になったのは「無料見積診断」でした。想定よりもコスト削減の予想額が大きかったことに加え、現状のメトリクスの推移を基に、弊社では想定できなかった専門性の高い具体的な施策案を幅広く提示いただけたことで「社内ではできないプロジェクトだ」と痛感しました。
――施策としてはどのようなポイントを意識したのでしょうか?
馬場:全体としてより筋肉質な状態を目指し、既に社内で最適化が進んでいたリソースに対しても、さらなる精度向上を目指してチューニングを行いました。例えば、S3(Simple Storage Service)には利用状況を詳しく見る機能(Storage Class Analysisやアクセスログ分析など)があり、“あまり使われていないデータ”を判別することができます。そこで“あまり使われていないデータ”を「取り出しにコストはかかるものの、保存コストが低いストレージクラス(S3 Glacierなど)」に移すことで全体のコストを抑えるといった施策をご提案いたしました。
――社内でもコスト削減に取り組まれていましたが、特に“予想外”だった施策はありますか?
家田:RDSのストレージの大幅なコスト削減をはじめ、社内でも細やかにライフサイクル設定をしていたS3に関してもさらに節約できると知り、DELTAの技術力の高さを実感しました。その中でもRDS(Relational Database Service)は、「ストレージタイプの変更」によって大幅な削減額を提示いただけたことが最も驚きでした。ストレージの種類を変えることは、システムの動きや速さに影響が出る可能性も高く、社内だけで判断してやれる自信がなかったところ、実作業においてもDELTAに大部分をお任せできて非常に助かりました。もともとAWS本体ともアーキテクチャに関するサポート契約をしていますが、そちらは基本的にチャットベースでのサポートに留まるため、DELTAのように実作業まで一緒にしてくれる存在はとても頼もしかったです。
馬場:実作業に当たっては、各施策の実行方法について「やり方①」「やり方②」のように資料で明確化しながらご説明しています。各施策のロジックや効果についてしっかりと両社で認識をすり合わせて進行することを心がけています。
家田:各施策の趣旨について丁寧にご説明いただけたことで、弊社としても「(DELTAに)これくらいの権限があった方がスムーズだよね」と納得感を持って判断することができました。その結果、私の管理下で、高いユーザー権限を持つアカウントの付与や、一部のプロダクトに絞ってアドミン(管理者権限)を付与するなど、セキュリティ面に配慮しつつ、柔軟に作業していただける環境を整えることができました。
――結果的には、どのくらいのコスト削減を実現できましたか?
武正:予算ベース月額との比較で約50%の削減を予定しています。削減金額は当初の期待値を大幅に超え大変満足しています。またトラブルを伴わずにプロジェクトを完遂していただけた安全面についても、非常に高く評価しています。
馬場:DELTAとしても安心感を持って施策を進めていくために、各施策のステップごとにしっかりとお客様と“握りながら進める”ことを意識しています。実施時間帯においても、比較的負荷の低い夜間だけでなく、過去の事例も参考にしながら、対応可能なスタッフが多い日中をご提案するなど、メトリクスビューを参照しながらお客様と最適なタイミングを相談して決めています。
――実際に作業を進めていく上で、苦労した点はありますか?
武正:コスト削減において避けては通れないことですが、棚卸が多く苦労しました…。古いポリシー(過去に設定したアクセス権限など)やAWS黎明期に作られたEBSのボリューム(保存領域)など、対象となったリソース一つ一つが「現在は使われていないのか」を確認する作業に最も時間を費やしました。
家田: DELTAからは「削減リソース候補リスト」もご提供いただけたので数を絞ることはできましたが、それでもかなりの数があったので、うーん…と(笑)。
武正:一方で、DELTAと共にプロジェクトとしてコスト削減に取り組めたことで、事前に目標の削減金額も目途が立っているなか「やるしかない」と一念発起で棚卸を終えられたように感じています。
――棚卸の手間もある中で、プロジェクトを完遂できた要因は何だと思いますか?
家田:ベーシックなことですが、Slackで基本即レスなやり取りをしていただけたことが非常に良かったです。また定例ミーティングでは、施策の一覧表をスプレッドシートにして進捗管理していただけことも助かりました。弊社側で確認が必要なタスクも一目でわかるのでリマインドとしても有効に機能していました。
武正:定期ミーティングについては、特に相談する事項がない時でもフラットに話の場を継続的に設けていただけたことで、カジュアルに何でも相談できる関係性を築くことができ大変助かりました。
馬場:本プロジェクトではヴァル研究所様からもすぐにお返事をいただけたことも大きな成功要因です。DELTAとしても、「今、誰が何をやっているのか」をスプレッドシートで共有することで“常に進んでいる状態”をキープし、プロジェクトをドライブするように意識しています。
――「CTO booster」について、改善点などあれば率直にお聞かせください。
家田:今回の施策の根拠について、「安全策を取ってココまでにしました」や「もっと攻めればココまで削減できます」といった判断の経緯をご共有いただけるとより良かったかなと思います。弊社としても、今回のコスト削減を経て「まだどのくらいの余力が残っているのか」を見定めることが出来れば、今後の社内におけるコスト最適化にも大きな価値があるのではと思いました。
――最後に、「CTO booster」を実際に導入されてみて、どのようなポイントが他企業や開発者の方々におすすめできると思いますか?
家田:1年間AWSを利用すればペイできる成果報酬型の料金体系が非常に分かりやすく納得感があると思います。また直接コスト削減に関わらない設定方法の見直しや運用改善まで手厚くアドバイスいただけたことが非常に良かったです。
武正:セキュリティの脆弱性診断が“健康診断”であれば、「CTO booster」は“パーソナルジム”のような感覚でした。コスト削減にコミットしながらも、現状のインフラ環境について一部をモダン化しながら、より整った最適な形に仕上げていただけることに大きな価値があったと感じています。社内の稼働を極力抑えながら、ここまでの成果を出せたことは、費用対効果の面からもおすすめです。
最初の無料診断から複数施策をご提案していただき、そこからコスト的にもベストなプランで実行していただける柔軟性も強くお勧めしたいポイントです。
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