マネジメント業務を担う中で「チームメンバーの進捗や状態を、できるだけ早く、正確に把握したい」と感じる場面は多いのではないでしょうか。
株式会社DELTAでは、こうした課題を抱える企業からの相談を受け、現場にすでに定着している日報文化を活かしつつ、自動化と可視化できるツールを実装しました。
本記事では、株式会社FORGEに導入された、日報自動集計とリスク検知が可能なツールの実装事例をご紹介します。
1. マネジメント層の日報管理を支援するツールの実装事例
本事例は、30人規模のチームを4つのグループに分けて運用している株式会社FORGEから「日報の確認や管理を効率化したい」との相談を受けたことがきっかけとなりました。
多くの企業では、Discordなどのチャットツールを活用した日報の提出が日常的に行われています。本ツールは、そうした既存の運用スタイルを変えることなく、マネジメント層が必要とする情報を自動的に整理・可視化できるように設計されています。
2.日報の可視化・リスク検知が可能
日報が提出されると、Googleスプレッドシートへ自動で蓄積できます。「今日やったこと/次にやること/目標」などの項目を集計できます。
内容は週単位で集計され、前週までの内容と比較しながら、進捗の停滞や目標未達の兆候があるメンバーを自動でリストアップ可能です。例えば、平日5日間のうち明確な進展が見られないケースや、一定期間にわたって日報の提出が途絶えているケースなどが該当します。
そのようなリスクが検知された場合、生成AIが自動的にリスクをマネージャーに指摘する仕組みまでが実装されています。スプレッドシート上で、日付を列、メンバーを行に配置し、日報が未提出の日にはセルが赤くハイライトすることも可能です。
これにより、投稿状況の異常を視覚的に把握可能です。ハイライトが続いている場合は、パフォーマンスの低下や離職リスクがあると判断できます。
こうした異常が検出された場合には、あらかじめ設定された条件に基づいて、管理者へ自動でアラート通知されます。対応の遅れを防ぐ仕組みです。
さらに、条件付き書式やピボットテーブルを活用することで、注意が必要なメンバーを色分け表示できます。週次・月次の傾向を直感的に把握できるようになり情報を即座に確認できるでしょう。
さらに、マネージャー自身が直接進捗の遅れや報告の漏れを指摘するのではなく、AIがチャットツール上で客観的な指摘を行うようにすることで、マネージャーの心理的負荷を下げる応用事例もあります。
3. 自社にカスタマイズされた日報ツールとして運用
本事例では、SaaSを導入するのではなく、FORGEの業務内容や日報の書き方に合わせて柔軟に設計されたカスタムツールとして実装しました。既存業務に無理なく統合できるため、新たな操作を覚える必要がなく、現場での抵抗感も最小限に抑えられます。
その結果、メンバーはこれまで通り日報を投稿するだけで、マネジメント層は可視化された情報をもとに、迅速かつ的確な判断を行えるようになります。
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